俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


だが、目の前のお嬢さんは、俺のしつこい引き留めにいい加減ご立腹のようだった。



「…むきーっ!…何でそんなにしつこいお坊っちゃまなんだよ!まだ何の用さ!今じゃなきゃダメかいぃぃっ!」



キッと目を釣り上げて、顔をわなわなと引きつらせている。

わっ。怒った。久々に大魔王っぽいぞ?

こわっ。…とは思うが。だからといって怯むことはなく。

もう段々慣れてきた感がある。



…と、思ったが。



「…このっ!…伶士いぃぃっ!」



ハッと気付いた時には、もう遅い。

目の前には指先が。

これは…!



「…うわっ!」

「…このっ!…伶士のくせにっ!…この私に壁ドンするなんざ、いつからそんなに偉くなったんだ!…この、伶士いぃぃっ!」



デコに鈍痛と後ろに反り返るぐらいの揺れが…!

次々にツンツンツンツンと!デコツンの刑!

ヤツの指先が、俺のデコを連続で襲う。

その度に頭がぐらりぐらりと…ああぁぁっ!これはいつまでたっても慣れるもんじゃない!

このままじゃ、指先一つでダウンさせられる!