俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


…しかし、先日の北桜学園の件とは違って。

確かに。

これは、なずなの仕事であって、俺には全く関係の無い…ことだろう、大方。

なずなの言う通り、何の力も無い俺が、何でもかんでも首突っ込んでいたら、そりゃ危険だ。

先日の壱丸デパートの件のように、なずなのお仕事の邪魔になっても…。



…そう考えると、あれだけあった勢いが死んでしまう。

攻防中にも関わらず、考え込んでしまった。

そこは、それ以上口を挟まないでおくか。

納得、しちゃいないけど。



「………」



しかしそこで、俺の目の前の獲物がそろっと動く気配を感じた。

ふと見ると、隙あらばと言わんばかりに、ヤツは壁ドンの腕をそっと潜り抜けようしている。

はっ…まだ、逃げるか!

そう捉えると、反射の行動に出る。



「…うぉっ!」

「…こっそり逃げようとするんじゃない!」



反射で、今度は右足を出してしまった。

壁ドン、足の巻。

俺の右足はもちろん、ヤツの行く手を再び阻む。



「ぬぬぬ…!」

「まだ話しは終わってないぞ!」



…そう、俺にはまだ話がある。