…しかし、先日の北桜学園の件とは違って。
確かに。
これは、なずなの仕事であって、俺には全く関係の無い…ことだろう、大方。
なずなの言う通り、何の力も無い俺が、何でもかんでも首突っ込んでいたら、そりゃ危険だ。
先日の壱丸デパートの件のように、なずなのお仕事の邪魔になっても…。
…そう考えると、あれだけあった勢いが死んでしまう。
攻防中にも関わらず、考え込んでしまった。
そこは、それ以上口を挟まないでおくか。
納得、しちゃいないけど。
「………」
しかしそこで、俺の目の前の獲物がそろっと動く気配を感じた。
ふと見ると、隙あらばと言わんばかりに、ヤツは壁ドンの腕をそっと潜り抜けようしている。
はっ…まだ、逃げるか!
そう捉えると、反射の行動に出る。
「…うぉっ!」
「…こっそり逃げようとするんじゃない!」
反射で、今度は右足を出してしまった。
壁ドン、足の巻。
俺の右足はもちろん、ヤツの行く手を再び阻む。
「ぬぬぬ…!」
「まだ話しは終わってないぞ!」
…そう、俺にはまだ話がある。



