俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「…麗華嬢に、『再びこの地に自分らのホテルを建てたい』と相談された時に、先に述べたリスクを伝えた。リグ・ヴェーダは魔界から戻ってきているし、三年前のようなことがまた起こりかねない、と。…そしたら、何て言ったと思う?」

「おがさわらさんが何て言ったか…」

うーん…と、眉間にシワを寄せて考える桃李に、剣軌はクスリと笑う。



ーーー奴らに手出しさせない方法は、ありませんか?

抗う方法は、ありませんか?



「げっ…あいつ、そんなこと言ったんですか?」

麗華嬢は、夏輝と桃李の高校の同級生。そんな強気な返答は想像は付くけど、でもこの状況にまで…と、夏輝は苦笑するしかなかった。

「強気な女性は嫌いじゃないよ」

「…そんな問題ですか!」

「攻め込まれる事を想定しての、万全の対策を立てる。そう考えた結果が『では、紫の門が開かないような環境を整えよう』ということで、我々は『礎の石』パワーストーンの使用を提案した」

「礎の石?」

聞き慣れない単語に首を傾げる哲太に、説明をするのは、なずな。