「哲太くん、剣軌と玲於奈は?」

「剣軌は会場の下見、玲於奈は屋上」

「ふーん…」

「もうそろそろ戻ってくる頃だと思う。…日没時刻も過ぎたし」

「…そうだね」

「なずちゃんなずちゃん!トゥンカロン食べる?写真は?」

「…あ、それいらない。私、クリーム系全般ダメだから」

「えー!美味しいのに!」

「ほら言った通りだろ」

スイーツなんぞ、甘ったるいモノは苦手。お菓子もナッツや煎餅、甘いモノはチョコぐらい。

(そういや、伶士がくれたチョコは美味かったな…)



すると、哲太の予言通りにスーツ姿の二人がこの部屋に戻ってきた。

色白の金髪パーマヘアの青年の後ろには、ひょろっと一段と背の高い男。髪がもさっとしている。

音宮陰陽事務所の代表・菩提剣軌とその社員黒川玲於奈だった。



部屋に入るなり、剣軌は時計を見ている。

「みんな揃ってる?…日没時刻過ぎたね」

すると、傍にいた玲於奈が欠かさず報告を入れる。

「パワーストーンの状態見てきまシタ。ちゃんと作動してマス」

「…なずなも準備してきた?」

「見ての通り」