小春ちゃんを意識し出したのは1年生の時。


クラスが同じで偶然席も近く。
お互いにスイーツが好きという共通点があったことをきっかけに話すようになって、いつしか恋心を抱くようになっていた。


小春ちゃんにとって僕は恋愛対象ではなくただの友達なんだろうなということは薄々気がついていた。
友達だから距離が近くて、
何でも話してくれて、
こうやって笑いかけてくれるんだって。
この関係性を壊したくないという気持ちと小春ちゃんが好きという気持ちで揺れて意気地なしな僕は前者を選んだ。
そして久遠が現れ、僕の前で小春ちゃんをかっさらっていった。


どうせ長続きしない。
サッカー部のキャプテンだか知らないが顔だけの男なんだろう。
そう思っていたのに思いの外二人は順調に恋人として月日を過ごしていった。


僕は完全に出遅れた。
こうなる前に小春ちゃんに告白していたら、
いや、好きなそぶりを見せるだけでもいいから何か行動するべきだったと後悔しても時すでに遅し。
小春ちゃんは久遠が好きなことをわかっていてもどうしても諦めきれなくて、足掻いてみたけどやっぱりダメだった。
小春ちゃんと付き合っている久遠が羨ましかった。
もう小春ちゃんとキスしたんだろうな。
それで手とか繋いじゃってさ、二人でどこか出かけたりして…
うわ、リアルに考えると辛いな。