久遠くんの溺愛が止まりません

「…はっくしょんっ!」
盛大にくしゃみしてしまった。


「大丈夫?寒い?」
心配そうにいっくんが見つめてくる。


「ちょっと薄着で着ちゃったから寒くて。」

思いの外秋の京都は寒かった。
やっぱり今着てるカットソーの上に何か着てくれば良かった。

「これ着てて。」
ふわりとモスグリーンのパーカーをかけてくれた。


「ありがとう。」
寒かったのでありがたく拝借した。


「こうすればもっと暖かいよ。」
いっくんが私の両手を包み込む。

「えと、これはさすがに…」


告白を断ったはずなのにいっくんは動じない。

なんで?
私が思わせぶりなことしてる?
肩にかけられたパーカーを見てはっとする。