冬の夜、僕は身体を失った。それはほんの一瞬のこと。交通事故に巻き込まれ、僕は死んだ…はずだった。
「あれっ？僕なんでまだここにいるんだ！？
たしか、昨日トラックに跳ねられそうな女の子を助けて…」
一気に昨日のことを思い出し、ゾッとした。
「死んだはずなのに、身体はないのに、なんで自分の家に居るんだ！？」
僕は昨日、塾の帰りに同じ高校の制服を着てた女の子を見かけた。そして、信号無視をしていたトラックに引かれそうな彼女を助けた。そして僕は死んだ。
「僕って何か未練とかあったか??」


冬の夜、私は心を失った。それはほんの一瞬のこと。
部活動の帰り、交通事故に巻き込まれそうな私を同じ高校の制服を着ていた男の子が助けてくれた。だけど彼は死んでしまった。全て私のせい。私が青信号でもしっかり周りをみて歩いていれば、少なくとも彼は死ぬことは無かった。
私が殺したも同然だ。せめて彼に、1度でいいから謝りたい。
(彼にもう一度会いたい!!)