誰が入室してきたかは、確認しなくてももちろん分かっている。 「ねぇ。俺、どうぞとは言ってないんだけど」 不満をぶつけるように、振り返りながら立花を見た。 「すみません……かくまって下さい……」 「誰から?」 「──クラスのみんなから」 「……なんで?」 「うっ……視線が痛くて……」 思った通りだ。 そんな胸の空いた服、着てるからだろ、馬鹿たれ。 俺はため息をついて立ち上がり、滅多に着ない糊のきいた白衣を脱いで立花の肩に掛け、開け放ったままになっていた窓を閉めて冷房をつけた。