そのことを不思議に思う暇もないまま、彼はとんでもないことを言ってのけたのだ。
「お前さ、俺のこと好きになれよ」
……はい?
もちろん、私はフリーズ。
何いってんのこいつ。ついに頭おかしくなったのか。
好きに、なれ…?
ちょ、訳分かんないんですけど。
しばらく喋れも動けもしていなかった私の顔を、駿は手のひらで強引に自分側に向かせた。
「…っ」
「俺、お前に嫌われてんの、嫌だから」
「…」
「だからお前は、俺のことを好きになればいい」
食堂にいるほとんどの生徒が、この状況を不思議そうに、私たちのことを眺めている。
皆からの視線が、痛くて苦しくて、思わずーーー


