大切なモノが、眠っている気がするんだ。
少しでも、それに気づくことが出来たなら。
それは、すごく幸せなことなのかも知れない。
「わー!おはよー!」
沙織はそんな私に、寝坊しないなんて珍しいねーと笑って見せてくれた。
「き、今日は雪でも降るんじゃねーか...」
信じられないといったような目で私を見る雅人に、わざと細い目で言い返す。
「こんな暖かい陽気の日には雪なんて降りませんー」
「アハハっ」
……こんな日常が、急に愛おしく感じた。
急に、どこか手の届かないところに消えてしまいそうで、怖い。
このままこの幸せが、永遠に続けば良いのにと考えてしまう。
なぜだろう、いつも通りの日常なのに。
でも私はそれ以上を深追いをすることもなく、この幸せな気持ちを噛み締めていた。


