----駿に出会ったのは、私がまだ本当に小さな頃。 でも、ちゃんと歩けてもいたし、喋れてもいて、その頃は、私と母と父と母方の家族で暮らしてた。 その時は皆がニコニコしてて、楽しく食卓を囲んで。 本当に、幸せだった。 でも、その幸せは、一瞬にして崩れた。 あの時のことだけは、今でも強烈に記憶に残っている。 それは、もう夏も終わるっていうのに、セミの鳴き声がまだ鳴り響いていた日のことだった。 その日の昼過ぎに、私の父は亡くなった。 本当に、突然。 つい朝までは元気だった父が、心臓発作で。