「ハァ…ハァ…」

なんなの。お父さんも、お母さんも、先生も!

受験、受験…って。意味分からない!

そんなことを考えながら走っていると

グラッ、っと体が揺れる。危ない、と思った時は

もう遅かった。

「痛っ…」

すると前から男の子の声が聞こえた。

「大丈夫?」

誰?友達?そう思って顔をあげる。

そこには見たこともない綺麗な顔立ちの美少年がいた。

翡翠色の目をしてる。ハーフかなぁ。

ってか、そんなこと思ってる暇無い!

「あなた誰?」

「僕はそぁら。」

そぁら…やっぱりハーフ?ってかなんでここにいるの?

「空に楽しいって書いて空楽。君は?」

えっ?私!?

「私は、下野 聖奈。中学3年生。」

「ふーん。そっか。」

いや、興味ないのかよ。

「聖奈はなんでここにいるの?」

翡翠色のキラキラした目で見つめられる。

すっごいかっこいい。…じゃなくて。

「私、私ね━━」