「よし…。これで後は蒸れるのを待つだけね」

昼間カートに貰った乾燥カモミール
沸かしたばかりの熱々のお湯を注ぐと花弁が開き、なんだか可愛らしい

茶器はコニーに頼み、宝物庫で保管してあったものをひとつ譲り受けた

なかなか質のいい茶器に、カモミールの柔らかな香りが漂い、ヴァレンティーナも優雅な気分に浸る

「ふーん、それがカモミールティーって奴か。」

「ええ。気分が落ち着く作用があるらしいの。コニーも一杯いかが?」

初めて自らの手で淹れたカモミールティーは存外、上手くできているように思える

「あー、今日はやめとくわ。
それレッドの為に淹れたんだろ?俺が飲むのはなんかちげーわ」

また今度淹れてくれな、と言ってコニーはヴァレンティーナを見送った

心優しい彼にヴァレンティーナもひとこと

「ええ。今度はコニーのためにお淹れしますわ」

ティーポットとカップを2脚、盆に載せてレッドの船室へと向かった