丁寧な物言いをするカートに興味を惹かれ、ヴァレンティーナは不敵に微笑む

「良いですわよ。
私、チェスには自信がありましてよ?」

「おもしれーじゃん。俺ここで見てよっと」

ジークは隣のテーブルからズルズルと引き摺って来た椅子をチェス盤の置かれたテーブルの横に着けて背もたれに顔を乗せ、準備万端だ

「この盤面どうしましょうか。
一旦リセットにします?」

カートの持つ白駒が優勢のこの盤面
ヴァレンティーナの闘志に火がついた

「いいわ。このまま続けましょう」

そう告げて黒のクイーンに手を掛けた