「ジーク先輩、ひとつお願いがあるのですが…」

先輩呼びに気を良くしたジークは胸を張る

「おう、なんだ何でも言え後輩よ」

「私、なにか皆さんのお手伝いがしたくて。
お世話になっているのに何もしないで居るのが申し訳ないの…」

「うーん。それは難しい問題だな。
レッドに聞けばなにかさせてくれるかもしんねーぞ?」

ヴァレンティーナはその細い首を振る

「レッドさんは何もしなくていいしかと仰らないわ」

「そうだなぁ。」

いつの間にか水を汲み終わったバケツを両手に抱えジークは歩き出す。