テテュス号がレガート伯爵領の港を出てから4度目の朝日を迎えていた

扉の隙間からうっすらと射し込む陽光にヴァレンティーナは目を覚ました

隣を見るがやはりレッドは同じベッドで寝ることはしないようで、本を開いたまま机に伏している

彼はこの3日間、ヴァレンティーナをベッドに寝かせ、自分は机で寝るか昼間に睡眠を取る生活をしているようだ

「レッドさん…」

「ん、ヴァーリャか。おはよう。」

眠そうに伸びをする彼の顔は少し疲れが見える

「レッドさん、今日はベッドで寝てください。身体が持ちませんよ?」

「心配するな。これでも丈夫な方だ」

きちんと身体を休めて欲しいと提言するが、いつもはぐらかされてしまうのだ

4日目の今日こそは、と意気込んでヴァレンティーナは船室を後にした