「そう言われましてもレッドさん。」

「なんだ?」

ニコニコとあどけない笑顔のヴァレンティーナといると毒気を抜かれるようだ

「私、自分の髪を結ったことがありませんの。」

そうだった、伯爵令嬢だもんな。
身支度は侍女任せだよなぁ。

はあ、と溜息を吐くと彼女はまた頬を膨らませる

それすらも愛おしく思えるが

「出来が悪くても文句言うなよ。」

そう言って、レッドはヴァレンティーナを自らの船室に連れ戻し、彼女の髪を編んでやった