貴族の服という物はこうも面倒な物なのかと考えながら、ドレスの紐を一つ一つ解いていく

解く度に生地が緩み、肌が見え隠れするが意識しないよう努めた

最後の紐を解いた時、ドレスがストンと落ち、真珠のように美しい肌が顕になる

そこからは己との戦いだった
必死に恥じらいを隠そうとするヴァレンティーナの表情すらもレッドの理性を惑わす

きつく閉められていたコルセットをできるだけ素早く外して服を渡し、彼女とは反対側の部屋の壁を眺めることにした

…が、着替える際の衣擦れの音が耳に着く

やはり本でもよんで心を落ち着けよう

海賊にしては珍しく、レッドは読み書きが出来た
眠れない夜や暇な時は読書をするのが日課だった