「お願い…」

いくらお転婆娘のヴァレンティーナにだって恥じらいはある

男性の、それも歳の近いレッドに着替えを手伝って貰うことに抵抗はあるがどうしようも無いのだからここは割り切るしかない

「…わかった。
そのドレスも着替えなくていいか?
俺の服で良ければ貸すけど」

「ありがたいわ。
私もどうしようかと思っていたの。」

大公爵様の御子息に会うからと、一段と気合いの入ったこのワンピースを船上の生活で着続けるのには抵抗があった


「この紐を解けばいいのか?」

レッドは恐る恐る彼女の背後から声を掛ける