「違うの、レッドさん。
あの…コルセットを外して頂けるかしら…?」

ヴァレンティーナとしてもこれは避けたい事態だったが、他に手段を思いつかなかった

目を点にして固まるレッド

「お、お嬢さん…?
流石にそれは」

「お願い、これ1人じゃ外せないの…」

高貴な女性が着替えを自らすることはなく、身につけるドレスも人の手を借りずには着られない物が多い
伯爵令嬢ともなれば着替えのためだけに着く侍女も居るくらいで、ヴァレンティーナにとっては当たり前の事だった

当たり前過ぎて失念していたのだ

さすがに腰を締め付けたまま寝るのは疲れもあり、避けたい

となれば目の前にいるこの男性に頼むのが一番都合が良いと思われた