テテュスの箱舟

ベンチへ促すと、彼女は意外にも大人しく従った

「そういえばレッドさんはお幾つなの?」

「18だな。ヴァーリャ嬢は?」

そう聞いてからレディに歳を聞くのは失礼か?と思い直す

「あとひと月で17ですの。
レッドさんと歳が近くて嬉しいわ」

特に気に止める様子もなく笑顔で答えるヴァレンティーナ

レッドはこの可愛らしい少女が船長のモノじゃなくて良かったと安堵するのであった

「レッドさん、私の事はヴァーリャでいいですよ。」

せっかく歳も近いんですし、と彼女は付け加える

「わかった、ヴァーリャ。
君を最高の旅に連れて行ってやるよ」