テテュスの箱舟

「ジーク、俺に挑もうとは10年早いんだよ」

呑み比べに勝ったレッドは、酔い潰れて机に突っ伏すジークに勝利を宣言する

…とはいえレッドも、フラフラする頭を気づかれないようにするので精一杯だ

「レッドさん、お強いんですね」

意外そうな顔をする少女は時折酒を煽っていた筈だが、酔った様子はない

「気楽なもんだな、お嬢様」

「あら、その呼び方は無しですよ。
私はヴァーリャです。レッドさんが付けてくれたでしょう?」

挑むような視線に正常な判断ができなくなり始めたレッドの脳は普段なら絶対に言わないような言動を許してしまう

「ヴァーリャ嬢、勝負だ!」

この時の発言をレッドは酔いが覚めた後に後悔することとなる