「生まれはイルミアだ。
この船に乗る前に最後にいたのはガルニエ王国だが」

「まあそうですの。
いつまでイルミアに?」

「そうだな…あれは6つの時か」

そこまで言って遠い目をするレッドにヴァレンティーナは少し動揺する

いけない、センシティブな話題だったかしら

「あ、あのレッドさん。良ければこの船案内してくださらない?」

少し強引な気もするが慌てて話題を変換することにした

レッドはその蒼い瞳を少し細めてフッと笑う

「ああ、そうだな。
それより、ヴァーリャ嬢。」

「なんですの?」

「その話し方やめねえ?
折角身分隠しても話し方がお上品すぎちゃあ意味がないと思うんだが」

「言われてみれば確かにそうですわね。
すぐに下町言葉に慣れて見せますわ。」

これでも演技派ですのよ、と付け加える