ラインハルトのことが頭に浮かんだが、苛立ちを覚えて頭を振った

「どこかに行ってしまいましたわ。
それより、お名前聞いてもよろしいですか?」

何かお礼をしなくては、とヴァレンティーナは考える

「言っただろう、気にしなくてもいいと。
俺のことはレッドとでも呼んでくれ」

レッドと名乗った青年はよく見ると思っていたより若く、ともすれば少年と形容するほうが妥当かもしれない

「そんなわけにはいきません。
何かお手伝いすることでもありませんか」

食い下がるヴァレンティーナにレッドはじゃあ…と言葉を紡いだ