「ちょっと離してくださらない?」
薄暗い路地裏で破落戸に絡まれる少女
平常時であれば住人たちが気付いてくれるし、港を守る衛兵の目も行き届いている小さな港町だが今日は違う
祭りの喧騒に人の目も警備も集中しており、少しばかり声を張り上げたところで立ち止まる人は居ない
ヴァレンティーナは自分の身のピンチにだんだんと焦りを覚えてきていた
ラインハルト様は何をしていらっしゃるのだろうか
不本意だけどここで助けに来てくれたら少しは彼への好感度もあがるかしら
それよりも私が蹂躙される方が早いだろうか
様々な考えが頭に浮かんでは消えていった
「嬢ちゃん選びな、俺らについてくるかここで犯されるか」
思わず身震いしそうになるが、ここで怯えた態度をとると相手の思うつぼだ
自身を奮い立たせて、毅然とした態度を示す
「ふざけないで。その手を離しなさい」
