少し休みたいと伝えるとヴァレンティーナは喧騒から少し離れた海岸沿いの防波堤へと歩き出す
伯爵邸からも海は覗けるが、この防波堤から見る海の景色が彼女の一番のお気に入りだった
幼い頃は何度も屋敷を抜け出してこの辺りまで来ては、年の離れた兄や両親を心配させ、連れ戻されることを繰り返したものだ
「何か冷たい飲み物でも貰って来ようか。
後で追いかけるよ」
というラインハルトの言葉をありがたく受け取り、漸く一人になれた解放感を満喫していた
防波堤の石造りのブロックに腰掛け、足をぶらぶらさせる
お世辞にも上品とは言えない仕草で、マリーに見られたら怒られそうだな、なんて考えながら行きかう人の群れを眺めていた
港町の人間だけではなく、近隣の領地の人や、中には異国からの来訪者も交じっているようだ
小さな子供を連れた母親や恋人同士のような二人組に、揃いの隊服を身に着けた兵士たち、羽振りのよさそうな老夫婦と様々だ
伯爵邸からも海は覗けるが、この防波堤から見る海の景色が彼女の一番のお気に入りだった
幼い頃は何度も屋敷を抜け出してこの辺りまで来ては、年の離れた兄や両親を心配させ、連れ戻されることを繰り返したものだ
「何か冷たい飲み物でも貰って来ようか。
後で追いかけるよ」
というラインハルトの言葉をありがたく受け取り、漸く一人になれた解放感を満喫していた
防波堤の石造りのブロックに腰掛け、足をぶらぶらさせる
お世辞にも上品とは言えない仕草で、マリーに見られたら怒られそうだな、なんて考えながら行きかう人の群れを眺めていた
港町の人間だけではなく、近隣の領地の人や、中には異国からの来訪者も交じっているようだ
小さな子供を連れた母親や恋人同士のような二人組に、揃いの隊服を身に着けた兵士たち、羽振りのよさそうな老夫婦と様々だ
