ボーダーライン。Neo【下】


「……これから。どうなっちゃうんだろう」

 見通しの立たぬ前途に、目頭が熱くなった。

「こうなってしまったものは、どうしようもないでしょう?」

 母は居間のローテーブルに雑誌を置くと、テレビの電源を消した。

「とにかく、泣いたってどうにもならないんだから、お茶でも飲みましょう」

「……お母さん」

 母は一度キッチンに引っ込み、二人分のアイスコーヒーを淹れて戻って来た。斜向かいにソファーへ座り、グラスに口を付けた。

「お母さんは……怒らないの?」

「何が?」

「土壇場で慎ちゃんとの結婚が駄目になった事。檜と……またヨリを戻してる事。
 あたしが芸能人と付き合ってるなんて……嫌だよね?」

「そうねぇ」

 グラスの氷を揺らし、母がコーヒーを口にする。

「でも。幸子は彼じゃないと駄目なんでしょ?」

「え」

「周りに反対された所で、彼と一緒になりたい気持ちは変わらないんでしょ? 芸能人でも、あんなに目立つ存在の人と一緒にいれば、いずれはこうなる事だって予測できる。それを承知の上でヨリを戻したんでしょう?」

「それは……。そうだけど」

 あたしは俯き、アイスコーヒーに目を落とした。