『ーー今日発売のこちらの週刊誌によると、まさかと目を疑う内容ばかり。
記事には既に婚約中の男性から、その彼女を横取りしたとあり、また、Hinokiさんとその交際相手の女性は元恋人同士なんですね〜。
そして信じられないのが、過去に交際していたお二人の立場が、教師と生徒という危なげなもの。
その詳細については雑誌を見て頂ければお分かりになるかと思います』
『いやいや、これはまだまだ世評が荒れますね〜。さっ、続いては街頭インタビューの様子です』
「……うそ」
ーーやっぱり過去がバラされてるんだ。
そう思うと急に体の力が抜け、右手からビニール袋が落下した。
テレビでマイクを向けられる人はみな、この事実に否定的な回答を述べていた。
「……幸子。あんた、これ」
先ほど床に落としたビニール袋から、母が芸能雑誌を取り上げた。
『ーーさて。続いてこちらが今朝撮られた映像です』
音声と共に画面が一時切り替わる。多くの報道陣に詰め寄られながら、中央に写るのはサングラスを掛けた檜の姿だ。
並んで歩くマネージャーらしき男性に庇われ、個々のマイク、フラッシュに、彼は見向きもしない。
怒涛に押し寄せるマスコミの光景は、今まで他人事と思って見てきたものと相違なかった。
膝から力が抜け、あたしはその場にへたり込んだ。



