「分かった。それじゃあ当分は檜のお給料でやり繰りして貯金もするね?」

「うん」

 とりあえず、生活を整えるために光熱費なんかも見直さないといけないなぁと思っていると、不意に後ろから抱き寄せられた。

「うん? なに? 檜」

「いや、もうそろそろくっ付いても良いかなぁと思って」

 嬉しそうに笑った顔に、昔の彼が垣間見える。

「俺の部屋に幸子がいるなんて、夢みたい。早く寝室行こ?」

 ーーああ、そうか。檜と抱き合うのは二ヶ月ぶりだもんなぁ。

 あたしは彼に向き直り、そうだね、と微笑んだ。

「二人で暮らそうって約束、やっと叶ったもんね?」

「うん」

 ギュッと檜を抱きしめてから寝室に向かい、扉を閉めた。

 ***