「冷蔵庫なんだけど。これじゃあ小さ過ぎるから、新しいの買っても良いかな?」

「ああ、うん。分かった。じゃあ〜……仕事が早く終わる日に一緒に買いに行こう。あと他に要る物ある?」

「うん。食器とかボールとかその他諸々ね。寝具はまだ見てないから、後で考える」

「そっか。よく分かんないから、その辺は幸子が選んで?」

「うん。……あ、でも。買い物に行くまで、お惣菜とかお弁当ばかりじゃきついよね。明日は適当に何か作るね? 実家から食材送って貰うように頼んだし」

「……分かった。けど、俺。それなりに給料貰ってるよ?」

「だから?」

「料理は時々で、二人で買って食べてても大丈夫だと思うけど……」

「馬鹿ね。それじゃあ貯金に回せないでしょ? 二人なんだから、食費はツキ三万で抑えるわよ?」

「さ、三万??」

「なに? 多い?」

「……いや。少ない、果てしなく」

 ーーたく。この男は。

 今までどれだけ散財してきたのだと問いたくなる。

「……あたしも仕事に出れたら良いんだけど。まだ当分はやめた方が良いでしょ?」

「うん。幸子に何かあったら嫌だし。絶対駄目だよ?」