ボーダーライン。Neo【下】


 ◇ ♀

 それからは、あたし達の結婚式をメインに話を進めた。

 挙式は日本と海外のどちらにするか。身内だけのこじんまりとした式の方が良いのか。洋装と和装のどちらにするか。

 式の日にちに関しても、檜の仕事の都合が有るので、大体の目安が分かったら教えて貰う事にした。

 母は両家の顔合わせを気にしていたが、檜の両親がイギリスに住んでいるため、彼は電話で済ませた方が良いと言っていた。

 入籍の日にちに関しては、あたしに希望日が有ったので、檜と二人で決める事にした。

 団欒(だんらん)とした食事会を終えてお開きの流れになると、あたしの部屋で二人きりの時間を持ち、慎ちゃんに会った事を打ち明けた。

 慎ちゃんが今回のリークに罪悪感を感じて謝っていた事や、慰謝料については感謝していた事、それらを伝えると、檜は「そっか」と頬を緩め、安堵していた。

「あと、入籍の日にちなんだけどね?」

「あ、うん。希望日があるって言ってたよな?」

「うん。あたしね、十月二十九日が良いなって考えてるの」

「十月二十九日?」

 あたしの言葉をおうむ返しにして考えているようだが、その理由については思い当たらないみたい。