「話すと複雑なんだけど。幸子が学校を辞めた日、写真がばら撒かれただろ?」
「……うん」
「あの写真が入っていたのは上河の携帯なんだ。でも、上河が携帯を落として下級生の女の子が拾った。その子が携帯を盗み見て、あの写真をコピーした。携帯の履歴を見たその子は、発着信の履歴も確認してて。そこに幸子の名前が有った」
「それを、どうしてカイくんが……?」
「……あ、うん。俺の停学中にその子に会いに行って、本人から直接聞いたらしい」
「そうだったんだ」
それでか、とようやく腑に落ちた。
あの頃。あの写真が校内にばら撒かれた日、何で上河さんの撮った写真が別の子の手でバラされたのか、全く分からなかった。
上河さんは、アレを奥の手のように扱っていたし、彼女が誰かに頼むはずも無い。
「上河と二人で会って、何か色々話したんだよな?」
口元に手をやり考えていると、檜が核心を突いた。
「……話したよ? 檜の行動で知らない事いっぱい。あたしに嘘ついてた事も、あの子に相談してた事も聞かされて。……別れて欲しいって頼まれた」
「え…」



