『……けれど、僕の仕事で少しの変化が有る中、彼女の私生活にも変化が有り、彼女が婚約者の男性と破局した事を知りました』
いつからなのかは本人に訊かないと分からない。慎ちゃんが既にあたしの浮気を知っていて、その怒りを爆発させた。
あたしは部屋を追い出され、実家へと逃げて来た。
あの時だ。今までずっと誤魔化していた気持ちを素直に認めようと思ったのは。
あたしは今でも檜を愛している、そう自覚した。
『……諦めの悪い僕は、まだ心の中に彼女の存在を残していて、もう一度会いたいと強く思いました。
僕は僕なりの方法で彼女と会い、話をして、彼女と二度目の交際を始めました。
週刊誌に婚約者の男性からの略奪愛だと書かれていますが、これに関しては何の弁明も、申し開きも有りません。
彼女の婚約者、Kさんという方に対して、本当に申し訳が立たない事をしてしまいました。
気持ちばかりの金額ですが、既に慰謝料も振り込んでいます。
僕にはただ謝る事しか出来ません。申し訳ありませんでした』
長机に額が付くほど頭を下げ、檜が謝罪の意を表していた。
数々のフラッシュが焚かれ、会場内はその音で満たされた。
三十秒ほど下げた頭を元に戻し、檜は言葉を続けた。



