『まず、六月二十五日発売の写真週刊誌に載せられた記事について、お話をさせて頂きます。
インターネットでも数多くその時の動画が流れているかと思いますが……。
空港で撮られた写真に写っていたあの女性は、僕が何年も前から好意を持ち、今現在お付き合いをしている女性です』
単刀直入な発言に、会場内が一瞬だけざわつくが、続きを話そうとする彼にまた静まり返った。
『こんな事を言うと、今までずっと応援し続けてくれたファンの皆さまを裏切ってしまうかもしれません。ですが……』
そこで一旦言葉を切り、檜は眉間を歪めた。
『ファンの皆さまに対して心苦しい気持ちは有っても……、僕は彼女を愛しています。
年内には、彼女と結婚するつもりです』
光源の音がひときわ大きくなり、会場内はざわついているようだった。
『既に刊行された雑誌で、彼女との過去が色々と暴露されていますが、大方はあの内容で間違いありません』
ディスプレイに映る檜をひしと見つめ、あたしは唇を噛んだ。
『高校二年の時。僕は担任教師をしてくれた彼女を好きになり、何度も何度も想いを伝え、交際を始めました。
しかしたった十ヶ月でその関係も終わってしまった。
僕が生徒であり、彼女が教師であり、僕個人の音楽活動にプレッシャーを与えてしまった。
別れた理由としては様々です。
そこから彼女との空白の五年が過ぎ去りました』



