とりあえず、こんな手紙が置かれていた事をマスターに伝え、私は少し早いベッドタイムです。


いつもならこの時間には、隣の部屋から魔王ごっこをしている魔王の声が聞こえているんですが……今日からはそれもないです。


「真希さんか……魔王がいなくなって、悲しいんでしょうね」


ベッドの上に腰を下ろしていた私は、窓を開けて酒場の方を見ました。


今日もいつもと変わらず、明かりが見えます。


無理をしているのかなと思いながらも、今の私に出来る事はありません。


「大人の世界の話ですからね。マスターに任せましょう」


子供の私に何が出来るってわけでもないですし、なるようにしかならないです。


そもそも、両親に捨てられて、マスターにお世話になっている私には……そういうのはわからないですから。


なるべく考えないようにと、布団に潜り込んで、目を閉じました。


もう、朝起きても魔王はいない。


出来の悪い弟が、いつの間にか一人前になっていたような感覚でしょうか。


そんな、腹立たしいような、ちょっぴり寂しいような感覚に包まれて、私は眠りにつきました。


魔王がいなくても、明日は来るんですから。