「せっかく感傷に浸っておるのに、お前は相変わらず口が悪いのう。まあ良いわ! おべっかばかり使う部下ばかりだったからな、貴様のようなやつは新鮮だったぞ! ふははははは!」


それなら良かったです。


私が思っている事をそのまま言ったら、魔王は泣いてしまうかも知れませんからね。


いつもやんわり言っているのが心地よかったのでしょうか。


「魔王さんは案外道具屋に向いているかもしれませんね。道具屋に必要な資質は一通り持ってる気がします」


……まあ、接客に関してはまだまだですが。


「ふはははははははっ! おだてても無駄だぞ! ワシは魔王! 全ての魔物を統べる者! 道具屋も悪くはなかったが、ワシにはやる事があるのだからな!」


と、魔王がやっと高笑いをした時でした。


店のドアが勢いよく開き、酒場の真希さんが飛び込んで来たのです。


「ま、魔王! あんた……今日で借金を返済出来るんだって? その後はどうするつもりなのさ」


おっとぉ?


慌てた様子で、寂しそうな表情を浮かべて魔王を見る真希さん。


前々からなんだか怪しいと思っていましたが……まさかまさかの展開ですか?


チラリと魔王を見てみると……私は驚きました。