「明梨んも……アイドルなの?」

 
「違うよ。
 明梨んは、僕たちアミュレットの
 専属司会者」


「そんな豪華メンバーで
 私がヒーローのレッドなんてやったら。
 お客さんに笑われちゃうところだったよ」



 アハハと無理やり笑ってみたけど。

 隣に座る春輝くんの表情は
 暗いまま。



 どうしたら吹き飛んでくれるかな?

 私と春輝くんを覆っている
 窒息しそうなほど重苦しい空気を。



「みゅうみゅう……
 これからも……来てくれる?」


「ここに?」


「うん。
 毎朝来てよ……
 僕と……おしゃべりしに……」


「なんで、私なの?」


「え?」


「その役。明梨んじゃ、ダメなの?」


「それは……」



 ごめんね。
 意地悪な質問しちゃって。



 答えなくてもいいよ。
 聞かなくてもわかるから。



 明梨んへの膨れ上がった想いを
 ごまかしたいんだよね?

 私とおしゃべりをして
 紛らわしたいんだよね?