「春さ、昨日の夜遅くまで
 マネージャーと電話でやりあっててさ」


 え?


「駄菓子屋で
 ヒーローショーを絶対にやるって、
 泣きながら怒鳴ってて」


「それで?」


「結局、春が折れた。
 スポンサーのこと出されたら
 従うしかないからな。俺たちは」



 春輝くんは
 そんなにヒーローショーを
 やりたかったんだね。



 それって
 私の夢を叶えてくれるため?

 それとも
 明梨んと一緒にいたいため?



 どっちかな?
 どっちでもいいか。



 だって。
 もう、なくなっちゃったから。



 春輝くんと毎朝
 この言霊神社で過ごす、口実が。