「明梨んって、何歳?」


「僕たちと同じ、高3だよ」


「じゃあ
 私とも仲良くしてくれるかな?」


「明梨ん
 誰とでも友達になっちゃうタイプだから。
 みゅうみゅうと
 すぐに仲良くなれると思うよ」



 春輝くん。
 明梨んのこと、べた褒めだね。


 
 私は……
 仲良くなれる自信がないよ。



 それに私、耐えられるのかな?



 春輝くんと明梨んが
 笑いあっている姿を見たら。

 逃げ出しちゃうかも。
 タタタって。子供みたいに。



 でも……
 私が伝えられる言葉は
 これしかないよね?



「明梨んと
 ヒーローショーやるの、楽しみ」



 精いっぱい
 語尾を跳ね上げてみた。

 口角も、思いっきり上げてみた。


 
 だけど。



 私の心は
 嫉妬で黒く染まった海に
 ズブズブと沈んでいって。


 もう浮き上がる気力も
 残っていなかった。