「みゅうみゅう、コツはわかった?」
ごめんなさい。
わかりません。
心臓がバクバクしすぎで
頭がシャットダウンしているので。
そんなことは言えず
とりあえず頷いた私。
「じゃあ、僕は手を離すからね。
一人でやってみて」
「こんな感じかな……」
足を振り上げるも
春輝くんが教えてくれる前と
ほぼ変わらないレベル。
「僕じゃ……力不足だよね?」
「え?」
「僕なんかが先生なんて……
できるわけないよね……」
待って。待って。
春輝くんのせいじゃないから。
「春輝くんにドキドキしちゃう
私がいけないんだから」
「え?」
「ん?」
今……
私の心の声が……
耳に届いたような……
聞き間違いだよね?
そう思いたいのに
目を丸くして固まっている春輝くんが
無言で訴えている。
『今の言葉、本当?』って。



