俺の目の前にしゃがみ込み
 ストレッチを始めた春輝にゾクリ。


 不純物なんて0.1%も含んでいないような
 透き通った春輝の瞳が、
 なぜか濁りだしてきた。



 天使の笑顔が
 悪魔の微笑みに一変。


 怪しい光を瞳に宿しながら、春輝は
 地を這うような、低い声を出した。



「あやあやって
 アミュレットのリーダーだよね?」


「ああ……」


「みやちゃんの幼馴染だよね?」



 みやちゃんとは
 アミュレットの絶対的エース
 雅(みやび)のこと。


 
 『それがなんだよ!』という言葉を
 ぶつけそうになり、
 慌てて飲み込んだ俺。


 ダメだ。
 余計なことは一言も口に出すな。


 今、春輝を刺激する言葉は、
 アミュレットを解散に導く
 地雷でしかないから。