「い……いいよ。
私……眠たくないし」
「昨日のお礼だよぉ。
だってみゅうみゅう、
僕にひざ枕をしてくれたでしょ?」
ひぃあ!!
春輝くんの頭が
私の太ももの上に乗っていたこと。
気づいていたの?
目覚める前にベンチに下ろしたから、
気づいてないと思ってたよ。
恥ずかしすぎだから。
お願い。忘れて。
だって
昨日の膝枕はね……
私が言霊神社に来たら
拝殿の前に春輝くんが倒れていて。
なんとかベンチに運んで
座らせて。
眠ったままの春輝くんの顔が、
透き通るほど綺麗だなって
見とれていたら……
春輝くんの顔が
私の膝の上に倒れてきて……
事故。
そう、
間違いなく事故なんです。



