「みゅうみゅう聞いて!
 マー君がね、怪人をやってくれるって」


「断られなかったの?」


「すっごく嫌そうに、断られたよ」



 えぇぇ??

 それって、やりたくないってことだよね?



「マー君の背中くっついて、頼みまくったの。
 30分くらいかなぁ」


 そんなに長い時間? 


「そしたらね、
 『やるよ』って言ってくれたんだぁ。
 僕、頑張ったでしょ?」



 首をかしげて、ニコって。


 春輝くん
 女の子よりも笑顔が可愛すぎだよ。

 可愛すぎだけど……



「やりたくない人を……
 巻き込むのは……」


「みゅうみゅうって
 相変わらず優しすぎなんだから」

 
 いえいえ。
 そういう問題では……



「大丈夫だよ。
 マー君ってね、口はものすごーく悪いんだけど。
 僕に甘々だから」


「……」


「カラスを睨み殺しちゃいそうな
 鋭い目をしてね。
『春が楽しいって思うなら
 付き合ってやってもいいけど』だって」


「なんか、カッコいいね」


「そう。世界一カッコいいの。
 マー君は」