「みゅうみゅう、おはよ」



 階段を上り切った先にあった
 春輝くんの満開笑顔。



 ご褒美だぁ。

 早起きして
 100段の階段を上った私への
 サイコーに贅沢なご褒美。



 春輝くんの笑顔が
 可愛くて、かっこ良くて。

 また私の心臓が
 キュンキュンと音をたてた。



「みゅうみゅう、
 本当に来てくれたんだね?」



 来るよ。来るに決まってるよ。

 だって春輝くんに……
 会いたいもん……



 そんな心の声なんて
 へたれな私に
 伝えられるはずもない。



「春輝くんも本当に来てくれたんだ」


「え? 
 来るに決まってるでしょ?」


 ん?


「だって。
 かわいいウサギちゃんに会いたかったもん」



 やめて!!

 好感度100%の笑顔キラリで
 そんなこと言うの!!



 違うってわかっていても
 勘違いしちゃうから。

 春輝くんも
 私のことを好きなのかなって。



 絶対に真っ赤になっているほっぺを
 両手で隠す私に

 春輝くんは
 惜しみなく笑顔を振りまいてくる。