「春輝くん、本当にいいの?
 私のお願いを叶えるために。
 こんなこと」


「逆に僕から
 みゅうみゅうに
 お礼を言いたいくらい」


「お礼?」


「僕ね、憑りつかれてるの」


 憑りつかれてる? 
 幽霊とか? 生霊にってこと?


「何かに熱中してないと。
 悪魔に支配されちゃうんだ。
 僕の心の中」



 いきなり陰った春輝くんの表情に
 私の心まで
 引きずられるように暗くなる。



 そんな私に気づいたのか
 春輝くんは何かを追い払うように
 明るく陽気な声を出した。



「僕の悪魔祓いもかねて
 ヒーローショーやろう。
 子供たちたくさん呼んで」


「楽しそうだね」


「もちろん。
 僕がいれば
 どんなことも楽しいことに
 変えてみせるから」



 魔法使いみたいな発言だけど。
 なぜか信じられる。


 きっと春輝くんなら
 どんな時でも周りをハッピーにできる。

 そんな気がするから。