「やっぱり、僕の中の悪魔は、
 いなくなってくれないみたい」



 え?



「だって
 みゅうみゅうとキスするとね、
 もっともっとって
 悪魔が叫びだしちゃうから」




 春輝くんの極甘な声。

 や……やめて……!!


 これ以上
 私の心臓のドキドキを、加速させないで!!


 胸のキュンキュンが止まらなくて、
 心停止しそうだから。



 息を吸っているのか
 吐いているのかわからないほど、
 私の呼吸が荒くなっていく。



 そんな私を慈しむように、
 春輝くんが私の頭を
 優しく撫で始めた。


 

「みゅうみゅう、お願い」



 ??



「追い出せそうにないから、
 僕の中の悪魔も
 一緒に好きになってくれる?」



 タンポポみたいな
 春輝くんの温かい笑顔に癒され、
 私の心の中に
 幸せが広がっていくのがわかる。



 私はとびきりの笑顔を春輝くんに向け、
 大きく頷いた。