「私より……
明梨んのことが……好きなんじゃないの?」
春輝くんの気持ちを知りたくて。
なんとか春輝くんの耳に届くぐらいの
小さな声で、呟いてみた。
口も目も
思いっきり開いた春輝くんは、
深いため息とともに
瞳を陰らせていく。
「みゅうみゅう、
僕、ちゃんと言ったでしょ!」
「え?」
「僕の大好きな物の中で、
みゅうみゅうが一番だって」
「言われたけど……
明梨んと一緒に住んでいて……
春輝くん、楽しそうだし……」
明梨んのパパとママにも
気に入られているみたいだし……
おでこに手を当てた春輝くんから、
呆れたようなため息が漏れている。
「僕、
明梨んと、一緒になんて住んでないよ」
え? え?
「だって、明梨んの実家なんでしょ?」
「明梨んは、高1から
叔父さんの家に居候してるから。
実家にはいないの」
ひえ??
そ……そうなんだ!!
私、とんでもない勘違をしてたんだ!!



