「みゅうみゅう?
え? 泣いてるの?
僕のお願い、嫌だった?」
心配そうに声を震わす春輝くんに、
涙を必死にこらえながら
心の奥の想いを吐き出す私。
「明梨んに頼んだら?
春輝くんの中の悪魔を追い払うなんて……
私には……無理だから……」
「なんで明梨んが出てくるの?
みゅうみゅう以外、使えないんだよ。
そんな魔法」
「私……魔法使いじゃないから……」
「じゃあ、ウサギさん?」
「ウサギでも……ない……」
「どっちでもいいから
僕のお願い、叶えてくれる?」
だから。
春輝くんの心の中を占領している
明梨んなんて。
例え魔法が使えたとしても、
私なんかじゃ、追い払えないからね。



