ベンチに座る春輝くん。 顔に、笑みは一切ない。 口を一文字に結んで、 ずっと地面を見つめている。 春輝くん……苦しそう…… こういう時って、 私からサヨナラを 言ってあげるべきだよね? そうすれば春輝くんのキラキラ笑顔が、 また見られるよね? 辛そうに瞳を揺らす春輝くんを 見ているのが、 苦しくなってきた。 って、ダメ。ダメ。 私が、こんな暗い顔なんてしていちゃ、 絶対にダメ。 春輝くんを余計に、苦しめちゃうから。 そう思うのに。 私の許可なく涙がこぼれ、 1滴だけ頬を伝う。