春輝くんの心の中が知りたくて。
春輝くんの膝に頭を乗せたまま
見上げてみた。
さっきまで
花丸満点な笑顔を
私に向けてくれていたのに……
春輝くんの笑顔が、いきなり蔭りだし
優しく私の頭を撫でていた手が
ピタリと止まった。
「みゅうみゅうに……
お願いがあるの……」
瞳を右往左往させながら、
言いにくそうに
言葉を吐き出す春輝くん。
私にとって
良くないことが起こりそうで。
私の第六感が、ピーピーと、
脳内に警告音を響かせ始めた。
私は春輝くんの膝の上から
逃げ出すように体を起こし、
春輝くんから一人分開けて、ベンチに座る。



